まさかのどんでん返し! 【女王はかえらない】が面白かったです。

    前半の子どもたちの和気あいあいとした中に潜む、肌寒いようなどこか悍ましい予感にびくびくしながらも夢中で読み続け、えっ、と驚きながらも一幕一気に読み終えました。

    ここで一度、違う小説に手をつけて読後に再び、二幕を読み始めたのですが、正直、面白くないなぁと何気なく読んでいました。というのも、登場人物の視点ががらっと変わり、序盤部分の子どもたちの視点ではなくなったためです。

    それでも、読み続けながら「何かがおかしい」と感じる部分が端々にあり、面白くないと思いながらも読むことを辞めることができませんでした。

    二幕の事件が解決したとき、やっと、一幕とはまったく別の事件であったことがわかりました。同じ事件を別の人物視点でなぞっているだけだと、そこから子どもたちの事件が発覚していくのだと予想していたため、この時点でよい意味で裏切られたことになります。

    そして、ネタバレとなりますが、まさかの「視点が変わっていなかった」という事実に仰天しました。「女性の教師」視点だと思っていたものが、一幕の「小学生の少年」と同じ人物の視点だったのです。

    主人公の少年は勿論、女王たちの名前もすべてあだ名で明記されていたため、完全に騙されていました。主人公の少年は実は少年ではなく少女であり、その少女が成長して教師になっていた数年後の話が、第二幕だったのです。

    あっと驚くどんでん返しは、主人公の視点や読者による人物たちの認識は勿論ですが、何より驚いたのは、一幕の最後でクラスメイト全員で行われた殺人に関する「主人公の動機」でした。

    人物の認識が理解できたときに、すべて合点はいったのですが、主人公の言動に含まれた静かな狂気は、ある種の憧れを含んでいるような気がします。

    不思議と惹きつけられる作品でしたが、映像化が難しそうな辺りがとても残念です。それらも踏まえて、文章ならではのトリックを楽しめた満足感で、読後はしばらく心地よい余韻に浸ることができると思います。

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